2007年8月の言葉
一歩先をゆく
 もう五歩ほど遅れているのに、一歩先の話。何かこそばゆいなぁ。

 「日本の経営は帆掛け舟」と言われ、順風に乗ったらゆけゆけどんどんと速さを増す。一旦風がやむと待機か漂流に陥ってしまう…
 操縦技術さえあれば、ヨットなら風向きに関係なくどこへでも行ける。どの方向に進みたいかがポイントなのである。
 アームストロングを月面に降り立たせたアポロ11号でさえ、飛行時間の90%は間違った方向に飛んでいたのだから。

 そこで問題だ。
 皆と同じ方向に歩いていけば、失敗か成功かは別として、皆で渡れば恐くない赤信号である。
 しかし、先駆けした一歩をどこへ踏み出すかは、ある意味恐ろしい。
 本来は、最も楽しい瞬間なのである。それがず〜っと楽しいかは、踏み出す方向にある。方向違いだと、途中で挫折を味わい時間とコストを失ってしまう。

 一歩先の選択で最も重要な三つのリトマス試験紙を提供する。

一、 社会的に要求されている問題のソリューションであること。
(温暖化解決、社会的弱者対策、地域問題解決…)
二、 そのソリューションが単品ではなく、商品生態系として位置付けられていること。
参考:「iPodは5年前では成功しなかった」を併読ください。
三、 顧客・クライアントのニーズ・欲求がありありと観えるか。

 一歩先の為には、まず帆掛け舟から下船し、ヨットに乗船する。そして過去の海図に頼らない。
 己の力を強化しながら、そしてアフィリエート(連携)しながら、新たな方向(三つのリトマス試験紙)に出帆する。


参考:iPodは5年前では成功しなかった

 iPodが成功したのはなぜか?iPodは今出たから成功したんですよ。5年前に出たら絶対成功していない。それはなぜかと言うと、次のような環境は以前はなかったからです。今は多くの人がパソコンを持っており、情報がブロードバンド化してきました。それから音楽がデジタル化され、著作権の問題がほぼ解決してきました。さらに携帯で音楽を聴くというライフスタイルが確立しました。この5つの状況なしには、iPodは普及しなかったわけですね。商品生態系が出来上がったからiPodが成功したんだということを申し上げたいのです。
7月5日エコロジー研究会より
(全文はいずれ掲載しますので、ぜひご覧ください)

フィランスロピー研究所       
代表取締役  井上 健雄