2007年5月のありがとう
苦労の免疫理論

 景気は、少し良くなったようである。企業業績の好調さが報じられている。
 しかし、相も変わらず外資ファンドの力尽くの買収や、大手による中堅吸収騒ぎも後を絶たない。
 経済のグローバル化や金余り現象を大きな要因としながら、個別企業の成長もデコボコで、斑模様である。こうしたことが企業買収の要因になっているのだろう。凸は勝ち組となり、凹はそのほんの少しのホコロビにより株価低下となり、お決まりの負け組買収、リストラの引き金を引くことになる。

 私たちの世界においても、凸になるか凹になるかは大違いである。
 こんな経済の中で、わがグループは少しずつの成長を遂げている。
 ありがとう。

 さて今月は、ランドルフ・ネッセの苦労免疫理論を紹介し、皆さんへの励ましとしたい。
 小さな苦労をする。そして小さな成果を残す。また小さな苦労をする。成功する…
 このプロセスから学ぶことは、やれば報われるという成功感が苦労に耐えられる精神力(身体力も)を養成するということである。

 本来、人間は苦労のない状態で満足するはずはないのである。
 それが今、家庭において親が汗を流していても子供に何も手伝いをさせない、学校でも子どもの人権とか言って及び腰の指導で甘やかしている。
 こんな楽が許された若者が、突然社会とのギャップに戸惑い、落ちこぼれ、フリーターなどに陥ってしまう。そうすると大人になれない青年は、日本には何でもあるけれど希望だけがないと、訳の分からないことを言う甘えたになる。
 「馬鹿言え!希望は自分で創るもんだ!」と大人は言うべきだ。でももう時は遅しかもしれない…

 未来に向かってのビジョンや夢が、現在の努力と行動により実現されるだろうという確信こそが、希望なんだから。
 せめて私たちの骨を折っての労作が、社会の希望を紡ぐ一助になればと祈りつつ、今月のありがとうを贈ります。
井上 健雄