ご挨拶 「食と環境を守る」


 平成21年いや21世紀を貫く人類の課題は、食と環境を守ることにある。日本の食の安全・安心は、自国の農業・牧畜・漁業で守るのが原則である。
 食の自給率も大問題であるが、とりわけ都市部の貧弱な食の自給率については、もっと真摯に考え対応すべきである。
 食を守ることは、地球環境を護り、人々の心身の健康を守ることになる。
 そこで私たちは、おおさかATCグリーンエコプラザから当該の仕事を受託して、新しい農商工学官民連携により、循環型社会共生システムの構築を勧めるものである。農業の再構築、都市農業の新構築と農業従事者のダイバーシティからフードに纏わる産業界の新事業の創出に至るまで、幅広く取り組む。
 農工学の取り組みにおいて、安全で安心でおいしく栄養価に富んだ農産物・お肉・魚等を創り、そして新たな加工・流通・販売ルートを築く商業界の参加を要請するものである。消費者の方々にも連携に加わって戴き、より良い消費者志向の商品づくりを推進するものである。また、商業・生産活動により出る生ゴミも土壌改良材として活用し、農産物として還流する仕組みも構築する。都市と農村が有機的に結びつくことにより、村まち連携が成立し、人々の生活を守り、交流を深め、より良い社会形成をおおさかATCグリーンエコプラザと共同して目指すものとなる。こうした観点から学識経験者と行政の方々から智慧とインフラや情報提供いただき、この「食と環境を守る」プロジェクトの充実・発展を期するものである。
 食と環境を守るプロジェクトの大要は以下のとおりである。このプロジェクト創造母体となるおおさかATCグリーンエコプラザから生まれる数々のソーシャルビジネスが、今後21世紀における大きなソリューションになるものと確信する。


「食と環境を守る」プロジェクト
(Ⅰ) 「食と環境を守る」啓発と産業形成を図る綜合展示コーナーの新設
(Ⅱ) 農商工学官連携による食と環境を守る研究会の形成
(Ⅲ) 農・商・工・学・官・民の主な役割


(1)農の取り組みとして (2)商工の取り組みとして (3)官・学・民(NPO)の取り組みとして
1. 個性・主張のある農産物加工品の育成(農産物のブランド化)
2. 農起業者の為の『起業塾』の開講
3. 圃場の提供
4. 農場レストランや農家ステイ事業創造
5. 都市農業の構築-野菜工場の確立
1. 新流通の構築(商)  ex. 無洗野菜
2. 加工による食材の生かし方やブランド化支援(商・工)
3. 販売拠点での表示やコーナー化(商)
4. 販売数量へのコミットメント(商)
5. 野菜工場、生ゴミ処理機、過熱水蒸気設備等の低コスト化とエネルギーコストの低減への取り組み(工)
6. 土壌分析や作物の簡易分析機の製作(工)
7. 食堂・レストランでの成果物活用(商)
8. 金融機能リース・ファイナンス・IT等(商・工)
1. 農商工学官民連携の場づくり(官)
食と環境を考える展示場の創造
農商工学官民連携会議体支援
2. 智慧、最新の知の提供(学)
3. 農商工学官民での周知と参画者募集やその啓発物の作成(NPO)
4. 農商工学官民連携のビジネスマッチング(NPO)
5. 安全・安心成果物の享受(民)
6. 「食と環境を守る」プロジェクトにより生み出された成果物の認証管理事業や事務局機能(NPO)


井上 健雄