フィランスロピー研究所 今月のありがとう
フィランスロピー研究所
フィランスロピー研究所 今月のありがとう
2013年10月のありがとう
イメージ画像 山が創る私たちの未来

 もう旧聞に属すると思うが、岡山県真庭(まにわ)市、銘建工業の取り組みを紹介する。
 中国山地山あいの町。岡山県内屈指の広さ、828.43km2。人口4.7万人。面積の80%は山林。
 まさに木を中心とした林業、木材加工のまちである。

 ここに日本一元気なメーカー、銘建工業がある。
 代表取締役は中島浩一郎さん。従業員200名ほど。年間25万m3の木材加工。西日本最大規模。
 ここの秘密兵器は、敷地の真中にある。バイオマス発電装置である。
 燃料は、製材後に出る木片、カンナくず、樹皮等の4万トン/年である。これで2,000kw/Hを発電する。
 中島さんの会社が使用する電気は、ほぼ100%このバイオマス発電で賄える。これで1億円が浮く計算だ。
 その上、夜間は電気を使わないので、電気を売ることができる。その収入は5,000万円。
 この4万トンを産業廃棄物として処理していたら、費用は2億4,000万円。
 さぁどうでしょう。3億9,000万円も得になる。
 その上、今買電価格が3円から9円に上昇している。
 そしてそして、石油や石炭に比べて木材は炉にやさしく、メンテナンスも容易であるし、CO2フリーと凄い。
 その上、木くずが余ればペレットを製造し、1kgを20円で販売。これも大きな収益源となっている。
 真庭市の新庁舎も、ハウスの冷暖房にもこのペレットが使えるんだから…

 これらをもっと巨視的に見れば、石油を焚いてCO2を出し、外国に金を使っていたものが、みな自前となり、CO2フリーとなり山の資源でエネルギーを回し、お金は出ていかない。
 これって凄くありませんか。
 まさにマネー資本主義に対する地域創成資本主義かも知れません。
 山を中心にお金が回り、雇用と所得が生れる。
 私たちはもう一度、身近から山林を見つめ直し、地域で山を回す仕組みをつくるべき時にきています。

井上 健雄

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