フィランスロピー研究所 今月のありがとう
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2014年9月のありがとう
イメージ画像 嘘や真と言わずプラシーボ

 このタイトルを見て嘘をつかない、真に生きろ、という教訓めいた話かな?
 いいえ、そうではありません。

 偽薬(ホメオパシー)についてです。
 その効果をプラシーボって言うんですかね。
 例えば、

医者:手術後の痛みが激しい時には、これをぬるま湯で2錠飲んでください。
患者:先生!私、痛みに弱いんですが、大丈夫ですか。
医者:大丈夫!です。

 これが本物の薬でないとしても、効くそうです。
 手術後に、

鎮痛剤としてのモルヒネが使用された場合、72%が痛くなかった
鎮痛剤としてただの生理食塩水(ホメオパシー)の場合でも、40%が痛くなかった

と報告されています。
 3割の差があるにしても、これが神経的なものならもっと効くのではないでしょうか。

 しかしこのホメオパシーに保険適用しない国も沢山あります。
 偽には金を払えない、そんな理屈です。
 ドイツ、イタリア、スイス、フィンランド、スウェーデン、ノルウェイ、アイルランド。
 野暮ですよ。
 日本も2010年、日本学術会議においてホメオパシー効果を全面否定する会長談話を発表しています。
 現代の医学の見地からはそのように思いますが、どうも智慧不足、薬偏重のように思えます。

 プラシーボ効果は主観的効果のみならず、胃酸や血液中の白血球、コレステロール、グルコース、コルチノイドの量など、生理的変化も起こさせるんですから。
 偽薬を本物の薬にしたら、それには副作用がある筈なんですから。
 副作用のないホメオパシーはいいんですよ。(当然、ホメオパシーにも副作用がという説も)
 それに値段がついたって安いんですから、こんなことに保険うんぬん、野暮なことです。

 このホメオパシーは、人間でなくてペットにも効くんです。
 飼い主が、ペットを心配してイライラしているよりも、ペットに「安心してこれをお飲み。楽になるからね…」飼い主が信じただけで、ペットにも安心が広がりプラシーボとなるらしいです。

 ちょっと飛躍になりますが、近松門左衛門に「虚実皮膜論」というのがありましたね。
 つまり芸の真実は、芸術的な虚構(フィクション)と事実との間の微妙なところにある、というものです。(穂積以貫が近松の難波土産の中での言葉を紹介)

 このように、本物の薬と偽薬としてのホメオパシーの関係も、虚実皮膜の間にあると考えます。
 真ばかりを振り回すのも危険です。
 従って、真のものをシャープに繊細に希釈する能力が必要となります。
 その上で、それぞれのレベルに応じて、うまくホメオパシーを活用すべきというのが私の考えです。

※私は、日本ホメオパシー財団の主張するものも、日本学術会議会長談話も是とはしません。
フランスの保健大臣フィリップ・ドゥスト=ブラジの考え方に与するものです。
もっと先の展望の中で、2X世紀の大発見と言われる可能性を持った「水の記憶」が、ホメオパシーの根拠になる可能性を考えています。

井上 健雄

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