フィランスロピー研究所 今月のありがとう
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フィランスロピー研究所 今月のありがとう
2018年3月のありがとう
イメージ画像 金で買えないもの

 ローマ法王からいただく「お守り」(これは法王への謁見時などに賜るもの)がある。
 これは凄く価値の高いものであるが、売買できない。
 これは、カトリック教徒にとって「祝福」であり、それをお金で人に売ると罪となるものです。
 第三者がそれを有効に持てるとしたら、見返りなしにもらうことになります。

 修士とか博士等の「学位資格」も本来、金では買えません。
 また、当り前のことですが、人間関係もお金では買えず、お金で買えるとすれば、それは、友人とか仲間ではなく、取引先となります。

 お金で買えないものを三つ記したが、まだまだ沢山あります。
 仕事のやり甲斐とか、新しい仕事の創造とかもお金では買えません。

 一方で、この3ヵ月(H30/1〜H30/3)で1兆1167億$(120兆円)もの金額がM&A(合併・買収)に費やされました。
 これは、リーマンショック以来の1兆ドル越えで、過去最高記録である。
 金融緩和がこれから終りを迎え、金利がこれから上るだろうとの読みもある。
 日本でも、武田薬品は自社の時価総額以上のアイルランド製薬大手のシャイアーを6〜7兆円で買収に動いている。
 また、富士フィルムホールディングスの米ゼロックス買収に乗りだして、これに反対するアクティビストに苦戦をしている、等…

 金で手に入れたものが買収した企業の躍進の種となるか、厄介物となるかは、紙一重。
 M&Aは社内で育てる、創りあげるという時間を金で手に入れるものであります。
 この安直な成長は、資本主義時代のジョーカーでしょう。

 しかし、私たちは手作りにこだわり、営営役役の道を歩いています。
 この道には、お金で買えないものをいろいろ授かり、豊かなんです。
 そろそろみなさんの能力総額に見合った爆発を手に入れたいものです。
 今月もありがとう。

※アクティビストは発表されたM&A案件に反対し、より好条件を引き出して売り抜ける等の行動をとる投資家

井上 健雄

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