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日本の21世紀の現実は3つに整理できる。
1. |
成熟した高齢社会
⇒ 5%〜10%成長は望めない |
2. |
現実としてのグローバル化
⇒ 日本は、特にアジアとの深い協働が必要 |
3. |
技術革新
⇒ 一つの画期的な技術はすべての機能のアンバンドリングを迫る |
この現実から、私たちの働き方がどう変化していくかを考えました。
21世紀の働き方は、産業革命により「レーバー」(力を出す仕事)から解放されました。次の「ワーク」も情報通信機器が代替し始めました。
これからの時代には、第三の働き方が必要です。「ゲームズマン」になることであったり、「アーティスト」になることでしょう。私の表現は「ビジネス・アスリート」です。
そしてこのビジネス・アスリートの先にあるものは、
一つは 達成感
一つは 自己実現
一つは 経済成長(収入増加)
最終的には 持続可能社会 です。
ここでは三つ目について触れます。
「今さら経済成長なんて!」と言う方もおられるでしょう。
しかし発展途上国で考えてみると、韓国は1980年代平均7%強の経済成長をしました。
この成長により、韓国は10年で経済規模を2倍にしました。このことにより貧困を殆どなくし、軍事独裁政権から民主政権になり、映画や音楽に至るまで素晴らしいプレゼンスを残してきています。
こうしたアジア(中国・韓国・シンガポール・インド)は、30〜40年前はアフリカより貧しかったのです。しかし今は逆転しています。
なぜでしょう?
このアジアとアフリカの差は、経済成長をしたか、しなかったのかの差になります。
そうだとしたら、豊かになっている日本ならもういいのでしょうか?
少子高齢化の中で成長を止めれば、医療、教育、農業、食料問題、年金などが崩壊しかねません。
最低3%成長が必要です。この成長ですと、30年後に経済は2.45倍です。それが1%だと1.35倍にしかならないのです。
この成長について、ノーベル賞学者ロバート・ソロー(MIT大学)の分析があります。
少し乱暴な言い方ですが、成長には二つの要素があり、
一つは 労働の増加と資本の蓄積
一つは 技術革新や生産革新 です。
そしてヨーロッパ、アメリカ、日本の成長は、二つ目にウエイトがあり、長続きすると述べました。一つ目の労働と資本だけの成長は、早くに止まるとしました。当時のソ連やアジア危機など符合します。
とすれば、私たちに求められていることは、技術革新やビジネスのやり方を革新して成長を促進することにあります。
特に「ビジネスのやり方」を私たちの成長のキーファクターにしたいと考えます。
この例はアメリカです。
1970〜1995年の25年間では、アメリカの労働者生産性は平均して1.4%前後でした。
1995〜2005年の10年間では、2.5%前後と上昇しています。
2.5%の成長要因は、IT革命(IT革命そのものよりその使い方)とグローバル化にあります。この恩恵を享受したのは、金融と小売業になります。
ここに大きな仕事の転換が始まっています。つまり「ワーク」がITとグローバル化により、置き換えられたのです。
我が「ビジネス・アスリート」たちよ!
または「アントプレナー」たちよ!
革新的に進もうではありませんか。
1%に甘んじる状態から抜け出る為に。
今期の前半は相当厳しい状況にあるだろうが、「ビジネスモデルの創造」の実りはもうそこに来ています。
さあ、平成20年度がE-Beingを劇的に変革させた一年と記憶されるために、頑張ろう。
今期もよろしく! |
井上 健雄 |
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