2008年6月のありがとう
一つの行動のために

      兵難遙度
      臣願馳至金城
      図上方略   −漢書・趙充国伝−

   (訳)百聞は一見に如かず
      軍事情勢は離れた所からは分からないので
      私が金城に駆けつけ
      上策を立案します

 この「百聞を一見に如かず」を社会人の常識とすべく、以下の格言を考案する。

   百聞は一見に如かず
   百見は一考に如かず
   百考は一行に如かず

 こういう論理である。つまり、聞くより見ろ、見るより考えろ、最後はやってみろとくる。Just Do It!
 つまり、抽象から具象、そして抽象から具象の実行を促すものである。

 この考えに大賛成である。
 特に事業をしていると、「行」の結果しか売り上げはないし、成果もない。だから行、行、行に陥りやすい。

 しかしもう少し深く考えると、こうなるだろう。

   一行の前に百考をしたか
   一考の前に百見をしたか
   一見の前に百聞があるか  健雄言

 私は一行の為には、客観的な知識(百聞)を獲得していることが大前提だと考える。

 百聞、百見、百考そして一行のサイクルを一人で回すことは、なかなか大変である。
 この壮大な時間は、それぞれが己の才能と夢と使命を感じる主要業務に与えるべき投資である。それぞれがその業務の最先端にいるのだから、他から簡単に聞いたり見たりできないのだから…
 だから皆さんの主要業務は、自己投資により完成を目指すものであると考える。

 その一方で、折々にやってくる「課題」がある。この課題の解決もかくあるべしであるが、時間との競争、リソースの限界もある。
 これについては「わがチーム」の百聞、百見、百考を活用しようではないか。足りなければ「わがチーム」の背景にたくさんの先生、斯界の権威、実業界での素晴らしい先達や友達、先輩、後輩がいてくれるではないか。

 私たちは恵まれた周りに感謝しつつ、もっと百聞し仕事を進めよう。
 課題は一月に最低三本は完成し、成功を勝ち取るものである。
 『百聞を基礎に百見し、百考し、一行する』を教訓としよう。
 今月もたくさん頑張ってくれてありがとう。暑さに負けるな!仕事に負けるな!己に勝て!

(この百聞と一見については、イー・ビーイング7月の挨拶でもう少し詳しく展開する予定である。乞う閲読)
井上 健雄