今回は趣向を変えて「デザイン」について語ります。
『エッそんなセンスあるんですか?』などと驚かないでください。デザインの意義とか論理性に重点を置いてますから。でもセンスだって満更でもありません。エヘン!
それにデザインは、時代と受け取る側の体験や教養の結果、受容されたり否定されたりするものなんですから……誰でも述べることはできるんですよ。
大上段に表現すれば「デザインは、総合力で勝負する」ものです。
構成する一つひとつ ―― 物語、商品、店舗とか事務所、カタログ、ホームページ、ツイッター、制服から名刺、接客、トップの人品に至るまで ―― これらのセンスの一貫性が保たれていることが訴求力あるデザインであり、結果としてブランドに成長していくものなんです。
ユニクロを考えてください。今までのイメージとは別次元に入っています。
スーパーモデルのアギネス・ディーンを見ても分かるように、広告起用する人のデザインも全く変わってきていますよ。ポップアートのキース・へリングから、小山田圭吾、椎名林檎といったトレンディーミュージシャン等々に至るまで、各業界の最先端を集めています。
柳井正氏は、ユニクロの未来への意思を示す為に、アート・ディレクター佐藤可士和という時代の逸材に大変な投資と決断をして、ユニクロのデザインを一新させたのです。
これは日本国内向けというより、世界に向けて歩き出したのです。GAPやZARA、H&Mなど世界を相手にする取り組みです。
商品もシンプルで結構品質は良いし、機能的なんですね。最近はおしゃれ金持おじさんも、ユニクロの服と高い靴や高い腕時計の組み合わせが粋だと言ってるらしいんです。
私なりのデザインとは、その会社の行き先を見える化したものなんです。
だから会社の行き先や成長に合わせて、デザイン変更やデザイン・ビルディングしていくものだと思うんです。
こうした文脈で考えると、私たちも中味の成長に合わせデザインを一新し、ニューE-Beingを訴求すべき時なのかなあと思います。
デザイン一新ほど、仕事の質が高く深くなってるかなぁとそちらも心配です。
皆でいい仕事を創造して、いいデザインに向かいましょう。
酷暑の夏の頑張りありがとう。
井上 健雄