◆2017年2月のありがとう
閑話休題 −梅− |
家に今、紅梅が咲いている。可憐で凛然としている。美しい。
楚辞に梅なく、万葉に梅あり、と私は言う。
楚辞は戦国時代(前343~前278年頃)に屈原とその後継者がまとめたものである。
不思議である。
漢の宮廷には、奇花異木3000余種を上林苑で栽培していたのに…
そこでは梅だけでも猴梅(こうばい)、朱梅、同心梅、紫葉梅、紫華梅、麗枝梅、燕梅と7種類もあったとされている…
日本では万葉集に梅の歌は119首もあり、萩(142首)についで多く、いかに日本の庶民から宮廷人までに好まれたかが分る。
梅は花を眺めるだけでなく、挿頭(かざ)しにされたり、手折りや盃に浮かべたり、袖に扱入(こき)れたり、いろいろな使い方がされてきた。
なんと優雅のことでないか。
梅の代表歌は、いろいろ説もあるが、私は
折りつれば 袖こそにほへ 梅の花
有りとやここに うぐひすのなく よみ人しらず(古今和歌集)
ちょっと抒情に浸ってみました。
私は、春が来たから梅が咲くのでなく、「梅が咲くから春がくる」という感覚派ですから。
みな様、花粉の飛ぶ前に梅見に興じてみませんか。
新しい自己が、香り立つことになるでしょう。
御身大切に。いつもありがとうございます。
井上 健雄