小さな単位で始める |
私たちは、何かあると、とたんに大きなリアクションをとる。
例えばBSE、大変な心配をした。
毒入りギョウザ事件は、中国食品への不信から、スーパーの棚から中国製品が消えたりした。
また今、福島の原発事故の放射性物質に恐怖し、福島産品を避ける風潮にある。
これっておかしくない?絆ってなんなの?
アメリカ産牛の二頭がBSEに感染しただけなのに、全面輸入禁止とか全頭検査とかを要求した。
アメリカは日本国土の25倍だし、牛なら100倍もいる。その二頭もカナダからモンタナ州に移ったものだけである。モンタナ州だけで、日本国土面積よりもでかいのに…
日本なら、もし青森で出て岡山のものも駄目と止められたら、何と言うだろう。
毒ギョウザだって同じ文脈にある。
意味的にもっとひどいのは、
『○○産のホウレンソウから国の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたので、出荷停止処分にしました』
当時の官房長官、枝野氏の発言である。
暫定基準は、一年間食べ続けた場合に蓄積量として懸念されるものであり、洗えばまず問題ないし、10〜20日食べ続けても大丈夫である。
そして数値が高いロットだけを出荷停止するのなら分かるが、○○産出荷停止とするから、生産者が一生懸命作られたものが廃棄処分となる。
国にとって、国民にとって、生産者にとって、財の無駄使いとなり、それをまた税金で購うことになる。
政治家の不用意な発言でどれだけ私たちが被害を受けるか、本当に悲惨である。
しかしこうした政治家、こうした対応を要求する消費者、こうした報道をするマスコミもまた、私たちなのである。
国のサイズ、能力から見て、もう少し考える範囲を小さくするダウンサイジングが必要ではないだろうか。
そこでまず中央集権を考え直す。マスコミも東京報道だけでは駄目でしょう。
地方分権が必要です。
今こそ地域サイズの、地域の正確な情報、正確な取り組みを始めるべきである。
日本は地域から立ち直る、立ち上がることが求められている。その上で、日本が道筋でしょう。
私たちの仕事は、高邁な志やビジョンに源がある。
しかしそれらを実現する為に、小さな単位で考えた数千・数万の日々の小さな行動と着実な実行があって到達できるものである。
今年も地道であっても、しっかりとした仕事をして進みましょう。
「お仕事」ありがとう!
井上 健雄