フィランスロピー研究所 今月のありがとう
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2013年2月のありがとう
イメージ画像 コショウの丸呑み

 最近の日中関係は、悪化の一途を辿っています。
 あの元寇以来、初めて中国の艦船が日本領海に侵入を繰り返しています。
 されど日本国民の怒りや憤激の声は小さい。
 国民の一人ひとりは、何も声高に叫ぶまでいかないとしても、しっかりとした怒りをもって日本の主張をするべきです。
 日本の一人ひとりは、すぐに落しどころを考えてしまいますが、これは卑怯な撤退でしかないでしょう。

 トウガラシを材料に考えてみましょう。
 トウガラシは辛い。
 これは「カプサイシン」という物質にあります。
 辛いのは鷹の爪。辛くないのが万願寺唐辛子。
 そしてこのカプサイシンの量は、昆虫の多い少ないにあるそうです。
 米ワシントン大学の研究チームが2008年に発表しています。
 昆虫が実をかじると、表面に傷がつき、病原菌が侵入します。
 そうするとタネを殺してしまうので、昆虫から見を守る方法としてカプサイシンで武装するのです。

 そうすると、鳥さんがトウガラシを食べて糞として撒き散らしてくれないと、繁殖にネックにならないかと危惧もあります。
 しかし心配ご無用、鳥さんには辛さを感じるセンサーがないということです。
 でもカラスさんは別のようで、カラスよけネットにカプサイシンを含ませたりしているようですが…
 蓼(たで)食う虫も好き好きの辛みは、タデオナール、ダイコンの辛みはアリルイソチオシアネートという物質です。
 これには発ガンを抑制するはたらきがあるらしいのです。

 ちょっと蘊蓄ぽくなりましたが、しかしコショウは、噛み砕くと辛みが分ります。
 それを丸呑みすると辛くもないですが、ほんとうの意味や意義を知らずにすますことになります。
 後々胃が悲鳴をあげたり、放って置いたことで、あとでほぞ(臍)をか(噬)むことになるでしょう。

 尖閣諸島と経済を一緒に考えて丸呑みしてはなりません。
 これは切り離して一つひとつ対処するべき問題です。

 このことは、一人ひとりの生き方にも繋がります。
 何事も適当に、取り敢えずと済ましてきた人は、年を取って、本格的に仕事をする時に本当に役に立たないものです。
 残念なことです。
 人生は、丸呑みすることなく、一つひとつを吟味し、酸み、甘み、塩み、苦み、旨みなどを味わいつつ大事に仕上げていく過程にあります。
 今という現在を5つの味覚とともに、辛みという痛みを味わいつつ、元気に頑張ることに面白さがあると思います。
 ありがとう!

※辛みは、舌の味蕾にはありません。あるとすれば、舌がヒリヒリするという痛みということになります。

井上 健雄

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