期待と希望そして考働 |
2020年 東京オリンピック・パラリンピック開催。
一つの朗報である。
東京招致に携わった方々に「ありがとうございます」「お疲れ様でした」と労に感謝したい。
世間では、95兆円の経済効果、GDPを0.5ポイントの底上げによる4兆2000億円、15万人の雇用創出…と景気のいい話が多い。
こうした話には期待はするが、期待は失望に変わることもある。
猪瀬都知事は、「日本のみなさんに希望を届けることができた」と涙ぐんだ。
彼が届けたのは「期待」であり、「希望」は、佐藤真海さんの言葉にある。
彼女は、水泳、陸上、そしてチアリーダーであった。
その彼女が19才のとき、骨肉腫で足を失ったが、このままでは駄目になると、水泳を再開し、スポーツ義足の第一人者 臼井二美男氏に出会い陸上を始めた。
そしてパラリンピックで輝いている選手を見て、自分の義足を受け入れたのである。
その時の言葉がこうである。
「自分で限界さえつくらなければ、無限大に可能性は広がっていく」
そう、どんなに苦しくても、辛くとも、自分の掲げた目標に真正面に向きあった人だから言える言葉である。
「自分で限界さえつくらなければ、無限大に可能性は広がっていく」
東京オリンピック・パラリンピックの風は確かに起こったのである。
それぞれがうまく風をとらえ、前進して欲しい。
それを受身にフォローの風だけでと思おうものなら、期待は失望に変わるだけである。
自分の意思で、それぞれの洞察において、東京オリンピック・パラリンピックを「希望の風」にして考働すべきである。
希望とは、決して環境や景気にあるものではない。
希望とは、個人の中にあるものである。
内なる希望とともに考働し、希望を一つひとつの成果に仕上げよう。
井上 健雄