フォーカス・イリュージョン |
人は何かに注目すると、その何かに引きずられて、次の質問に応える傾向がある。
Q1. あなたに恋人はいますか?
しかしこのQ1とQ2の順序を逆に質問すると、
Q1. あなたは幸せですか?
つまり最初に恋人にフォーカスしたところから、イリュージョン(幻想)が始まっているのである。
これを私たちの折々の意見・決定や日々の生活の行動に当てはめてみると、やはりいろいろなイリュージョンが支配している。
そしてそのイリュージョン度が高いほど、パフォーマンスが低くなり、結果的に失敗や失業を招くことになる。
企業が的外れの目標(イリュージョン)を設定すると、惨憺たる結果しか生まない。
個人も同様で、イリュージョンに満ちた目標設定をしていると、何の成果も進歩も示さない失われた○○年となり、社会的存在に疑問符が点灯し、次の人生選択を迫られることにもなるのである。
もう一つ。
「花はなぜ咲く」のでしょう。また、あの花の美しい色はどうして…
人の気を引き、恋の成就を助けるため、これも美しい応えですが、それは「花が子孫を残す為」、「花が紫外線から自己防御のため…」に本質がある。
花は、太陽光とCO2と大気・水を元に育つのだが、晴天の昼間の明るさは10万ルックスもある。
しかし、葉っぱの光合成のためには2.5〜3万ルックスもあれば十分である。
逆に、3〜4倍のエネルギーの負荷を受けていることになる。
そこで、植物は過負荷による活性酸素を抑えたり、また活性酸素を消去する物質をつくる仕組みを作りだしている。
その一つとして抗酸化物質がある。
それがアントシアニンとカロテンである。
この二大防御物質が、花を美しく、そして生まれてくる子を守っているのである。
花の美しさにフォーカスして、花の生き方、防御スタイルに至りついたのである。
イリュージョンに迷わされずに本質解を捜す、それが今月のありがとうである。
最初に何にフォーカスするかで、パフォーマンスに雲泥の差がでる。
せめて変なイリュージョンはやめてほしい。
フォーカス・ツルー!
今月もありがとう。
井上 健雄