ピン!とくる |
「ピン!とくる」。
そのピン!が、異次元ジャンプを産む。
イケアは、ロシアでショッピングセンターを開発し、テナントに貸し出し始めた。
この事業は、イケア本体より大きな利益をあげている。
イケア(家具小売店)は、大都市の中心部から離れて未開発地に出店する戦略をとっている。
そうすると必ず周辺地域が発展し、不動産価値が上昇していることに気付いたのである。
そこで「ピン!ときた」のである。
地域の大規模開発のトータルプロデュースをすれば、イケア単体より、地域という単位で、価格上昇の恩恵に与(あずか)れると考えたのである。
きのう(昨日)までの事実を積み重ね、イケアにとって新しい概念に至りついたのである。
これをきのう(帰納)的思考という。
この考え方はこうである。
(A) ○○は鳥である。
(B) 鳥は○○である。
(A)は、直線的に鳩、鴉、鷲、鸛(こうのとり)…と答えていける、論理的プロセスで答えを求める演繹法である。
一方、(B)は、おいしい、心の友、害虫を食べてくれるもの、鳴き声で癒してくれるもの…と、直線的というより、拡散にいろいろな考えを生みだすものである。
この考え方を帰納法という。
(A)は既存のモデルの枠を出ることなく進み、(B)は、私たちの目の前のものにしっかり向き合う時に新思考を浮かばせるものである。
私たちは、目の前の事実から帰納法的に創造をする者でなければならない。
さあ。ピン!ときて、新しいマーケットを創ろうではないか。
井上 健雄