農業は神に近い職業① |
山上憶良、1538番で始めよう。
芽の花(はぎの花) 尾花 葛花 瞿麦の花(なでしこの花)
姫部志(おみなえし)また藤袴 朝顔の花 −山上憶良−
これが俗に言う秋の7草となる。
(Q一) | 萩の花がなぜ草なんだと…(鋭敏な方は) |
(A) | 確かにこれはマメ科の小低木である。 しかし大事なのは、7草と表記しているが、7種(ななくさ)という意味を持つと考えられている。 |
(Q二) | なんで8種でないんだ!という人もいるだろう。(日本なら縁起のいいものは末広がりの8でしょうと) |
(A) | 山上憶良(660-733)は、歌人であり、遣唐使 粟田真人の書記官として長安を訪れたりしている。 中国において7は陽数であり、喜ばれたものである。 そこで憶良が中国の乞巧奠に供える意を兼ねて7草としたのでありましょう。 |
これのどこが6次産業化なんだ!と憤慨されている人も…
まず6次の絵をうまく成立させる為には、自然に親しみ、植物について知識を持つ努力が必要です。
だって農業って、神様に一番近い職業だと思ってます。
大自然との共存の道なんですから。
だから植物の性質を、まず大きな枠組みで理解することが大事である。
そして、それぞれの植物がとる戦略を知ることが必要である。
CSR戦略については、一度説明しているが、再説明を加えたい。
C型;強い種は、コンペティティブ、戦いを選ぶC型となる。(図を参照ください)
これらの代表がイネや野菜である。
S型;弱い種は、環境に耐えるストレス・トレランス、ストレス耐性型というS戦略をとる。
水の乏しい所のサボテン、高山植物などはS型となる。
例えば、サボテンの葉は、水分の蒸発を防ぐ為に針となり、また水分を針にのせて少しでも温度を下げるように、たくさんの突起を出している。
また、針(本当は葉)では光合成できないので、茎で光合成をしている。光合成の為にまん丸の茎まである。
水が、不足する時は、根を成長させ、土の中の水をグリップしようとしている。
なんと素晴らしい自衛の戦略でありませんか!
耐えるとは、こういうことです。
第3の型がR型、ルデラルと呼ばれる。
荒野に生きる植物をいい、日本では攪乱耐性型とも言う。
R型の典型は雑草である。
みなさんは雑草は強いと思われるかも知れませんが、雑草はいい環境にいるとC型に負けるんです。
悪い環境に強く、いい環境に弱いのが特徴です。ちょっと天邪久です。
「やはり野に置け蓮華草」で、蓮華草を家で植えたって、原っぱほどの感動はありません。
それぞれ居場所があるのです。
やはりうまい組み合わせがポイントです。
つまりC・S・R型に応じた栽培を考え、対処することが法則です。
そして植物の光合成の能力により成長しやすい性質も着目です。
一般的な植物は、C3回路で光合成します。炭素数3個の3ホスホグリセリン酸を持っています。
一方、C4回路を持つ植物は、炭素数4個のオキサロ酢酸を生じます。
これらの一部の比較をまとめました。
C3 | C4 | |
光利用効率 | 低い | 高い |
最大生育速度 | 0.5-2g乾物重/dm2/day | 4-5g乾物重/dm2/day |
生育最適温度 | 10-20℃ | 30-47℃ |
蒸散速度 | 450-950gH2O/g乾物重 | 250-350gH2O/g乾物重 |
C4がいかに生育が早く、水持ちが良いかが分ります。
その上、最適温度も高く、温暖化する地球にとって考慮すべき分類概念である。
今述べたようなことは、植物情報量※の1015(千兆ペタ)分の1にも過ぎないでしょう。
その上、機械技術やマーケッティング、プロモーション、ブランド等々情報量は、1018百京エクサの世界です。
だから、みんなで智慧を出しあって、足らない所を補いあい勉強をし続ける6次産業化研究会を目指しているんです。
こうした不可知の世界へ飛び込む。これってドン・キホーテです。
私たち、新資源6次産業化研究会の活動の栞の表紙に、ドン・キホーテを使っているのはこうした思いからなんです。
みな様、夢ある、智慧あるドン・キホーテご一緒しませんか。
※情報量の単位・読み方
106:百万メガ 109:10億ギガ 1012:1兆テラ 1015:千兆ペタ 1018:百京エクサ
井上 健雄