フィランスロピー研究所 今月のありがとう
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フィランスロピー研究所 今月のありがとう
2011年8月のありがとう
イメージ画像 「どこでもファーム」非日常性への旅

 普段の生活習慣を離れ、非日常的な空間・時間を過ごすことも大事である。
 リソース(資源)を回復するリゾートは、習慣からの離脱(非日常性)に素早く連れていってくれる。

 特に、自然と共にある海・山リゾートは、人をして太古から未来への悠久の時を生きていることを啓示してくれる。
 太古には、人は山・森・洞穴…など自然の只中で裸の猿と生き、そして家族・集団としての生活を発見するのである。
 この狩猟時代は、人の自律性を重視し、個々の能力差を認めるも機会平等であり、人の個々の生命力の輝きが眩しい。

 その後数万年を経て、農耕を覚えた生活は、安定的ではあるが、種から収穫までの長いスパンのリターン構造は、親和性や協調が求められるうえに、富の蓄積による不平等を生み出し、多くの人々に閉塞感を齎したのである。
 そこで農村から食(は)み出した者が飛び出し、早いリターンを望む人たちによるマーケットを形成し始めたのである。それが都市として誕生していくのである。

 都市に住む現代人は、食み出し者の遺伝子をもち、早いリターンの構造として商工業を興したり、サービス業としてファンドマネージャーや為替ディーラーなどになり、瞬時の利益を求めている。
 私たちは好むと好まざるとに拘らず、早い、早い生を貪っているのだろう。

 この早いだけの時間を、人としての実りある時間に取り戻すためには、やはりもう一度農村・大自然への回帰が必要なのだろう。
 しかし簡単にそこへ戻れないのなら、都市に緑や菜園を持ち込むのも一つの考え方・行動である。
 そこで(図)の右に記したように、町と農村のゆききの一つとしてどこでもファームを位置づけたいと思う。

 私たちはこうした考え方のもとに、「どこでもファーム」に取り組むのである。
 私たちは、大きな時の流れに棹さすだけでなく、新しい親和力や新しい絆を築き、その上、環境・人の健康に配慮した緑化としての野菜を楽しみましょうということです。
 悠久の時を味わい、時の温故知新として「どこでもファーム」をするのである。
 「どこでもファーム」してくれて、今月もありがとう

井上 健雄

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